01あなたの条件
02有休の今の状況
03年5日取得義務の進み具合
04生涯で見た内訳
05基準日ごとの記録
06計算の前提
07制度の解説
有休は「基準日」ごとに生まれて、2年で消えていく
年次有給休暇は、入社した日を基準に半年ごと・1年ごとに新しく付与される仕組みです。労働基準法第39条は、入社から6ヶ月継続して勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、最低10日の有休を与えるよう定めています。そのあとは1年ごとの「基準日」に、勤続年数に応じて11日、12日、14日と付与日数が増え、勤続6年6ヶ月以降は20日で頭打ちになります。週の所定労働日数が4日以下かつ週30時間未満の短時間勤務の場合は、この日数が「比例付与」という別の表に沿って少なくなりますが、仕組み自体は同じです。
問題は、この基準日ごとに生まれた有休には、それぞれ個別に「使用期限」があることです。労働基準法第115条により、有休を取得する権利は2年で時効にかかります。つまり、ある基準日に付与された分は、次の次の基準日を迎える直前までに使い切らないと、その日数はまるごと消えてしまいます。繰り越しはできても、無期限に貯められるわけではありません。
試算してみると、消える日数は思ったより多い
たとえば2020年4月1日に入社し、週5日以上のフルタイムで働き、これまでに合計20日の有休を使った人を、2026年8月26日時点で試算すると、次のようになります。入社から6年あまりで付与された有休の合計は81日。そのうち実際に使った20日を、古い付与分から順に消化したと仮定すると、時効で消えてしまった分が27日、今も有効な残高が34日という内訳になります。月給28万円だとすると、消えた27日分は日給換算でおよそ34万7,986円に相当します。半年ごとに10日前後が生まれては消えていくペースを考えると、意識して使わない限り、かなりの日数がそのまま流れてしまう計算です。
同じ条件で、もし一度も有休を使っていなかったとしたら、時効で消える分は47日、金額換算でおよそ60万5,754円まで膨らみます。逆に言えば、20日使ったことで20日分の消滅を防げていたことになります。「今のペースでどれだけ使えば、これ以上捨てずに済むか」を確認するために、このツールでは基準日ごとの付与・消化・失効を1件ずつ表にして出しています。
年5日は「取らせる義務」が会社側にある
2019年4月からは、年10日以上の有休が付与された労働者に対して、会社が基準日から1年以内に5日を取得させることが法律で義務づけられています(労働基準法第39条7項・8項)。この5日には、労働者自身が請求して取った分や、計画的付与で取った分も含めることができるため、意図的に取っていなくても自然と条件を満たしていることもあります。ただし達成できていない場合、義務を負うのは会社側とはいえ、有休そのものが消えてしまう不利益を受けるのは労働者本人です。このツールでは、直近の基準日について「あと何日で5日に届くか」の目安も表示します。
このツールでの前提と、含まれていないもの
計算にあたっては、いくつかの仮定を置いています。まず、全期間を通じて出勤率8割以上を満たしているものとして計算しており、実際に8割を下回った期間があると、その基準日の分はそもそも付与されない場合があります。次に、有休の消化順序は「古い付与分から使う」という一般的な運用を前提にしています。法律上この順序が明記されているわけではありませんが、この順序がもっとも失効を抑えられるため、目安として採用しました。実際の消化順序は会社の就業規則や運用によって異なることがあります。
金額換算についても、労働基準法が定める正式な「平均賃金」(直近3ヶ月の賃金総額をその期間の暦日数で割った額)ではなく、月給から日額を概算した簡易的な計算です。また、時効で消えた有休は法律上ふつう買い取ってもらえません。ここに出る金額は「本来使えていたはずの価値」の目安であり、実際に会社へ請求できる金額ではない点にご注意ください。付与日数や取得義務の詳しい内容、自分の会社での実際の消化順序については、就業規則の確認や、社会保険労務士など専門家への相談をおすすめします。